ネコの「パンダ」の治療
先日、治療に伺ったお宅で、飼っている猫が、
「食欲が無く、数日間絶食状態が続き、
猫のトイレの容器に行くのも、頭から入って行けず、
後ろ足から一歩ずつやっと入る状態だったので、
2日に1回、点滴をしに行き、やっと少し食べれるようになった。
でも、もう寿命かと思っている。」
と言われました。
見てみると、首を右に傾けたまま、左右へよたよた、
ふらふらしながら1歩づつ歩いていました。
その猫の名前が「パンダ」と言い、毛が白地に黒がまだらに有りました。
子猫の頃、交通事故にあって、倒れているのを、まだ生きているからと言って、
知人が連れて来たのが、初めての出会いだそうで、
事故の後遺症で、首が右に曲がったまま、そのお宅に来てから19年。
人間だと100歳ぐらいだそうです。
人間であるその方の治療中、頭に置鍼している最中に、
「良くなればいいな。」と思いながら、人間と同じように診断し、
鍼は嫌がるだろうから、テーブルに有ったボールペンを、
鍼の代わりに、パンダの後頭部にある全身を調整するつぼに当て、
棚の上にあったプラスチック製の打ち出の小槌で、1回軽く叩きました。
すると、打ち出の小槌が効いたのか、パンダの首がほぼ真直ぐ伸びて、
少しよたつきながらもトコトコ歩いて行きました。
「あ、良くなった。」と思いながら、パンダの後姿を見ていました。
1週間後、その方から、
「パンダが元気になった。あれから首が真直ぐになり、トイレも頭からすっと入れ、動きも以前のように良くなり、食欲も出て、餌をくれくれと催促する。ありがとう。」
とお礼の電話がありました。
猫を治療したのは始めてです。
点滴のおかげはありますが、猫にも効くんだと驚きました。